ゲームプランニングの基礎中の基礎を解説してみる
ぶぇっくしょい!Dontです(花粉症14年目)
ヤッター!仕様書の第一稿が完成したよ!(全部完成とは言っていない)
声優の記事ばかりあげていて忘れるところでした。元々ここはゲームの制作過程を
公開して宣伝するために立ち上げたブログでした!
というわけで今回は仕様書ができるまで。
書式のフォーマットやらフローチャートの書き方なんかは他のサイトを参考にして下さい。自分のキッタネーんであんまり役にたたないと思います。
今回解説するのは1つの仕様が完成するためにどういった事を考えているかというお話です。実際にIT系で職務につかれている方や制作経験がある人からすれば何を今更な事で面白くないかもしれませんが学生さんでこれから始めるような人が見てふーんと思ってくれれば幸いです。
ステップ1 ざっくりアイディアをまとめる
ブレスト的なところで出すアイディアをとりあえず書き出してみます。
今回は「「仕事」コマンドを実行するとギャラがもらえて声優の能力が上がる」という
アイディアからスタートしたいと思います。
ステップ2 要件定義と足りない物を考える
上記のアイディアを考えるのがプランナーの仕事だと思ってしまう人がいますがそれは間違いです。アイディアを出すのはプログラマだろうがグラフィッカーだろうが誰でもいいのです。そのためにブレスト会議をしたりするので。
仕様書を書くという事はここからもう一段階深く考える事です。
このアイディアを実装するには何が必要で何が足りないのか…それを精査して初めてそれが仕様になります。
実践 こんな風に考えてた
ここから孤独な自問自答パートになります。
「イメージとしてはオーディション以外の事務所にお任せで投げてこられる仕事でそれに見合った条件の声優をアサインして経験を積ませるって感じだな」
「という事は仕事には条件を設定しなきゃいけない。条件は①性別が合致している②パラメーターが必要数値に達している こんなもんかな」
「②の必要パラメータがゲーム進行と共に上がっていってどんどん受けられる仕事が増えるとユーザーのモチベーション維持になるだろう」
「ゲーム進行度と難易度が比例するためには仕事にもレベルを作って事務所のレベルと紐付けよう。高レベルほど高難易度で上昇パラメータも大きくする。」
「あれ、でもそれだと新人が加入した時に高難易度の仕事ばっかりで受けられなくなって手詰まりになるな」
「だったら事務所レベルの高さ=出てくる仕事の最大難易度にしよう。事務所レベルが上がっても下位の仕事も出てくる」
「そうすると事務所レベルが上がるとズラーッと毎週仕事が出てくる。全部受けるためには所属声優が何人いても足らなくなるし後半絶対ダレるな」
「じゃあ仕事の種類50個くらいあってもそこから発行されるのはその中の数個にしよう。事務所レベルが上がるとちょっとずつ来る仕事も増えるようになればリアリティも出る」
完成
そんなこんなでこのパートの仕様が出来ました。ここから実装するプログラマさんからツッコミ受けたりテストプレイをして問題が出たら仕様を足したり引いたりします。
完成した仕様書の一部
あと例外(稀によくある)として天からアイディアが降って湧いて出てしまった時。
「こっちの方が絶対おもしろい!」ってなると仕様が変更になります。当然チームからは大ブーイング。そこをおだてて頼んでなんとかしてもらうのはディレクターのお仕事のひとつです。
こんなにノリノリで言えるのが羨ましい(「東京トイボックス」より)
この自問自答の精度が仕様を考える際のセンスになると思います。
完成して上手くいかなかった時は自分のセンスの無さに呆れてしょんぼりしてしまいます。私は第一稿の仕様がすんなり最終稿になるのはほとんど無いのであんまりセンスは無いんだなぁと思います。
でもハイキューの及川さんだって言ってたじゃないですか。センスは磨くもの、才能は開花させるものって。いつか才能が開花するまで(しなくても)続けるしかないんですよね。
及川さんクソかっこいい
というわけでプランナーの手が動いてなくてボーっとしてるように見えてもそれは自問自答パートの途中だったりするかもしれないのであんまり怒らないであげてくださいね。